頭をくしゃくしゃっとされ、思わず吹き出した。




「ちょっと！ぐちゃぐちゃにしすぎだから！」




顔を上げたら至近距離で目が合い、ヴァンパイア姿の隼斗はニコッと八重歯を見せ、むかつくくらいキレイな笑顔で笑った。





「やっぱ笑ってるほうがいいよ。正直女子の慰め方とか全くわかんねぇんだから」




なのにあたしを1人にしないで慰めようとしてくれたんだ。




「ありがと」




皮肉を言わずに素直にお礼することにした。




「お前今日俺に迷惑かけすぎ」




そう笑いながら言ったから、申し訳ないと思いながらも、面白くて笑いがこみあげてきた。




「でも前に応援しないって言ってたのにごめんね。こういうのめんどくさいんでしょ？」




隼斗に“冬馬のこと好きなの？”って聞かれた時、めんどくそうな顔をして“応援はしない”って言ってた。




「応援はしねぇよ。でも泣いてる梨佳ほっとく訳にもいけねぇじゃん？」