隼斗に手を引かれ、連れて来られたのは、文化祭の間は誰も入らない部室棟。




その下の段差に2人で座り、隼斗はあたしが泣き止むのを静かに待ってくれた。




「んで、どーしたの?」




あたしが落ち着いたのを確認して、優しい声が降ってきた。




一瞬言うのをためらったが、こんな優しさに触れて何も言わないのはずるいと思った。




「冬馬がね、告白したの。美咲ちゃんに」




「美咲ちゃん?」




「バスケ部で冬馬の後輩の子なんだけど、すごい可愛い子なの。ハキハキしてて、誰とでも仲良くなっちゃうような子。あたしとは正反対」




自分で言ってて悲しくなってくる。