「「「きゃーーーーー!!!」」」
なにが起きたのか気になり、体育館へ1歩入った。
ステージの上には、冬馬の背中が見えた。
一見、ひとりに見えるが違う。
冬馬の腕の中にはもうひとりの影。
美咲ちゃんだ。
なにが起きたの?
しばらく体育館の入り口から動けずにいると、近くの男子の話し声が聞こえた。
「冬馬のやつやるなぁ公開告白とか。俺にはムリだ」
公開告白、したんだ。
誰にでも同じ態度で、って思ってたけど違ったんだ。
美咲ちゃんは特別だったんだ。
今まで冬馬への気持ちは憧れに似たものだと思ってたのに。
なんで今、気づいちゃうのかな。
あたし、冬馬のこと好きだったんだ。
失恋して、恋に気づくって。
あたしどこまでバカなの。
熱気に包まれたこの空間にいることが辛い。
そっとその場を離れた。