「ママ行こ〜」 「はいはい。よいしょっと」 あたしはその小さな体を持ち上げた。 あたしの腕にすっぽりと収まる小さな体。 この子を守っていくんだ。 幸せな、未来のために。 「じゃあ行こっか。……隼(しゅん)」 あたしの首に回っていた細い腕がゆっくりほどかれ、 「ママ、大好き」 そう言ってあたしのおでこにキスしてきた。 「あたしも……大好きだよ!」