あの時と同じように、夕日に照らされる隼斗を見た気がした。




隼斗の声を、聴いた気がした。




でも涙をぬぐうように目をこすると、そこにはもうその姿はなかった。




赤く染まる水面が一面に広がっているだけ。




きっと今のは隼斗からの最後のメッセージ。




隼斗があたしのために作ってくれた未来を、ちゃんと見つめようとしないあたしへの暖かい言葉。




「ごめ……っ。隼斗っ」




隼斗が残してくれたあたしの未来。




「ちゃんと、生きるよ……っ」




あなたがいないこの世界で生きていく自信はまだないけれど、少しずつ前へ進んでいこうと思う。




隼斗は、あたしにそれを望んでいると思うから。




だから隼斗。




ちゃんと見ててね。




あたしが生きていくこれからの未来を。