「────……っ」
頭に殴られたような強烈な衝撃がはしった。
あの時、卒業式のあとのような。
いや、それ以上の。
もう少しで出てきそうな何かが身体の中で波打っている。
「あぁっ……」
怖い怖い怖い
自分の身体に何が起こっているのかわからない。
でも頭では理解できないそれを、身体が訴えている。
鼓動が速くなり、呼吸が浅くなる。
苦しくなったあたしは、床に手をつき、肩で息をする。
ネックレスを握りしめたまま。
きっとこれは誰かからもらった物だ。
大切な、誰か……
固く握りしめていた手をゆっくりと開く。
こんな華奢でキレイなネックレスをくれたのは、だれ?
呼吸を落ち着かせるように胸の前まで持っていく。
その瞬間、落ち着きを取り戻してきたあたしの身体が熱を持ち始めた。
奥底から燃え上がるような炎のように。
存在を訴えるように。