「どうしたの?」
「あの……さ。もしかしたら気づいてるかもしれないけど、俺、吉沢のこと好き……なんだよね。去年から」
……え?
いきなりすぎて、予想外すぎて、全く言葉が出ない。
でも健吾の目が冗談を言っているようには見えなくて、本気なんだと伝わった。
でも、あたしは健吾のことそういう風に思ったこと……
「あ……えっ…と」
「去年、吉沢文化祭の実行委員やってただろ?それ俺もやっててさ。今年同じクラスになれてすげぇ嬉しかった」
言葉に迷っているとゆっくりと健吾が話し始めた。
去年の文化祭……
全然知らなかった。
「普通に仲良くなって、もっと近づきたいって思ったけど、もしダメで吉沢と話せなくなるのは辛いなーって思って言えなかった」
あ、これ、美月も前に言ってた。
健吾に告白した時、気まずくなりたくないって。
「だから吉沢が近くで幸せそうに笑っていてくれればそれでいいかなって思ったんだ。“友達”としてでも。でも、最近の吉沢はなんか思いつめてるって言うか、辛そうで。俺がどうにかしてあげたいって思った」
気づかれてた。
でもそれの原因を説明することができない。
自分でもよく分かっていないから。