この1年のことを思い出していると、何か違和感を感じた。




ところどころ記憶が飛んでるのだ。




夏の日、みんなで遊んだのは覚えてる。




でも肝試しの記憶が全くない。




なんだ……?これ。




思い出そうとすればするほど、頭が真っ白になっていく。




鼓動が速くなり、胸が苦しい。




わけがわからなくなり、手を耳に添えた時。




「梨佳?行こ」




美月に肩を叩かれた。




周りを見ると、ぞろぞろと教室を出て体育館へ向かっている。




「……うん」




急いで席を立ち、美月と一緒に体育館へと足を進めた。