河辺に着いたあたしは、1番近いところから下へ降りた。
「隼斗……どこ……っ」
上手く呼吸ができない。
足が震える。
「隼斗……」
それでも足を止めずに、砂利道を走る。
どこにいるの?隼斗……
どこ────
もう足に限界が近づき、速度がゆるくなった。
息を整え、再び走り出そうとした時。
この目に捉えた。
1人でしゃがみ込む華奢な姿を。
「隼斗……っ」
絞り出した声で名前を呼ぶと、隼斗は弾かれたように顔をあげ、目を大きく見開いてあたしを見つめた。
目が、合った。
それだけで嬉しくて、走り出しそうになる。
でも、その瞬間哀しくなった。
これは始まりじゃない。
終わりなんだ。
────終わりの、始まりなんだ。