「お前の意識はどこへ行ってるんだ。早く前出てこれ解いてみろ」 あたしの意識…… 今は、隼斗のことしか考えられない。 「先生……ごめんなさい」 いってきます。 探してきます。 イスを勢いよく倒し、そのまま教室を飛び出した。 「……あ、おい!吉沢!どこ行くんだ!」 先生が叫ぶけど、何も聞こえない。 周りの人のざわめく声も、自分の足が廊下を蹴りつける音も、何も。 無我夢中で走り、昇降口を抜けた。