授業なんて、全く頭に入らない。 黒板に並んだ数字を見るけれど、頭に入る前に全て抜けていく。 黒板の上では時計の針が淡々と進んでいく。 不安と、焦りがあたしに容赦なく絡みつく。 目の前の空いている席を睨むように見つめた。 なんで、いないの……? ねぇ、隼斗。 今、どこにいるの───? 「……ざわ……吉沢!」 先生に名前を呼ばれ、はっと頭を上げた。