「おはよー美月」 教室に入って、美月に声をかけた。 「え!どうしたの!?その目!」 「ちょっと映画観てたら涙止まらなくなっちゃってさ」 冷えた手を目に当てる。 朝も冷やしてきたんだけど、やっぱり治らないか。 テキトーに流して、席に着いた。 でも、目の前の席がまだ空いてる。 隼斗、遅いな…… 来る、よね? その期待とは裏腹に、目の前の席が埋まる前に、1時間目開始のチャイムが鳴り響いた。