「梨佳〜!」
そう言ってあたしに飛びついてきたのは親友、平野美月。
中学から同じだけど、仲良くなったのは去年同じクラスになってから。
大人っぽい外見とは想像もつかないくらい元気な彼女は、あたしを見つけるなりはしゃいでいる。
「今年も同じクラス!!」
「ほんとに!?やった〜」
とか言いながらあたしもかなり嬉しくて2人で抱き合って騒いでいる。
「ちょっとお前らうるさい」
聞き慣れた声が上から降ってきて、一瞬で鼓動が早くなる。
上を見ると、やっぱり。
高橋冬馬。
去年同じクラスで、人気者で、あたしがいいなって思ってる奴。
「冬馬もまた同じクラス?」
平然を装って聞いてみると、
「残念ながら。」
呆れたような顔でそう言った。