すぐに放課後はやってきた。 「梨佳、準備できた?」 こんな言葉でも、隼斗から聞けば嬉しくなるんだ。 彼氏からの言葉みたい。 「うん、おまたせ」 足元がふわふわする。 「美月、じゃーね」 「また明日〜」 あたしは隼斗の横へ並び、教室を出た。 この時のあたしは、1人で舞い上がって、肝心な隼斗の顔が見れていなかったんだ。 悲しそうな、辛そうな、その顔を───