隼斗はびっくりしたように固まっていたが、急に吹き出し、




「なんだよ余りもんかよ」




そう言いながら、その袋を握った。




「本命受け取らないとか言ってて、どうせバレンタインなのにチョコ持ってないんでしょ?手元が寂しい隼斗くんへのプレゼントさ」




いつものように嫌味を言って、いつものような空気にした。




「うるせぇな。まぁさんきゅ」




隼斗は「じゃーな」と言って教室を出て行った。




あたしのあげた“余りもん”のチョコしっかりと手に持って。