お昼休みが来ても、動こうとしないあたしを美月が不思議そうな目で見てきた。
「いつ渡すの?もうお昼休みも終わっちゃうよ」
「隼斗って、本命チョコ受け取らないんだって。受け取ってすらもらえないなら、がんばっても惨めになるだけじゃん?」
ほんとは、傷つくのがわかりながら、それでも伝える勇気がないだけ。
結局あたしはいつもこうなんだ。
大事なとこでなにも出来ず、自分を守るだけ。
「後悔、しない?」
「言ったほうがするかもな」
やっぱりこのまま、何も変えず、何も変わらず。
この距離を維持しよう。
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