あたしは引き出しの中から鏡を取り出した。
そこには真っ赤なあたしの顔と、その下でひっそりと輝く、雪の結晶。
さっき隼斗は、“梨佳っぽい”って言ったよね?
隼斗の目にあたしはどんな風に写っているの……?
こんなにキレイな、雪の結晶。
あたしにはもったいない……
「ありがとう……隼斗」
嬉しさと、感動と……。
なんかもうわかんないけど、泣きそうになった。
「なくすなよ」
「なくさないよ。隼斗に殺されるもん」
なくさないよ。
なくすわけないよ。
隼斗にもらったものだもん。
大好きな人にもらった物だもん。
あたしはそのネックレスに触れたまま、しばらく動けないでいた。