あたしはいつの間に寝てしまったんだろう。
みんなに申し訳ないことしたな。
ベッドのすぐ横の窓からは、夕日が差し込んでいた。
「梨佳起きた?みんなもう帰っちゃったわよ」
「うん、後で謝っとくよ」
「あの黒髪のキレイな男の子いたでしょ?
あの子なんか帰り際変なこと言ってたわよ?
『梨佳さんには幸せになる権利があります。見守っててあげてください』
って。
よくわかんなかったけど、切ない目で訴えてきたからびっくりしちゃった」
え、隼斗……?
それはどういう意味なの?
「梨佳、いいお友達もったのね」
そう言ってお母さんは部屋から出て行ったけど。
あたしの中には、いろいろな感情が渦巻いていた。
もうわかんないよ、隼斗。
隼斗のこと、もっと教えて?
隼斗の考えてることを知りたいよ。