「誰を処刑するんだ?ッて言うか、処刑って殺すってことだよな...」
それは孤児院で一緒に暮らして来た誰かを、殺さなければならないってことか....?
けど、誰か処刑するかを決めなければ、この羊とかいう奴に皆あのぬいぐるみみたいに頭を吹っ飛ばされて、殺される。
夜になれば、俺含む村人陣営の11人は、人狼に殺される。
....誰かを犠牲にしなければ、生き残れない......。
沈黙に包まれる中、ある人物が声を上げる。
「なにもしなければ、皆に死ぬ可能性がある。心苦しいけど、俺は人狼を全滅させて、此処から脱出する。村人陣営は、一緒に頑張ろう。人狼になってしまった人には悪いけど....」
震える声で、ひーちゃんがそう言った。
線目をぎゅっとつぶりながら、彼は勇気を振り絞って、そう言ってくれた。
しまんちゅもそれに同調する。
「そうだべさ。村人なら、一緒に頑張ろうべさ。」
takuも珍しく頷く。
「ああ。怖いのは皆一緒だ。」
無機質な機会音声が、残り時間を告げる。
ー残り、5分です。ー
「あ、あと5分しかありませんよ.....」
メロンが両手を口に当て、あわあわと焦る素振りを見せる。