真実が『ラブストーリー』で働くようになってから、数日が過ぎた。

相変わらずな日々を過ごしていた。

真実はピアニストでありながらも綺麗な顔立ちで癒やし系の笑顔を持つ。

言うまでもなく、客の間でも人気がある。

それゆえにヘルプにつけてと、頼まれることもある。

そして、今や真実にとって誠也は職場の先輩だ。

その誠也がうっかり、珠利にたまに真実がヘルプしていることを話してしまった。

珠利は嫌な気持ちになり、真実に仕事のことで口うるさいことを言うようになった。

さすがに真実も

｢月登さん(誠也)お願いですから、珠利に余計なこと言わないでください｣

苦情を言った。

｢すまない、すまない｣

と、謝りおわびに雨音の家がやってるオムライス屋『はしもとや』のサービス券をあげた。

ちなみに雨音と誠也は幼なじみで元々、雨音の紹介で誠也は『ラブストーリー』に入った。

真実は今日はサービス券を持って、珠利と『はしもとや』に行くことにした。

渋谷のハチ公前で待ち合わせした。

「真実、お待たせ」

「大丈夫だよ」

そう言って、すぐ近くにあるTSUTAYAの２Ｆでカフェラテでも飲むことにした。

二人で飽きもしないでクラシックの話をしていた。

しばらくしたら、小さな子供がよちよち歩いて、真実のところまで駆け寄ってきた。

真実は優しく頭を撫でてあげだ。

そんな姿が微笑ましかった。

珠利は結婚したら真実とピアノ教室を開きたい。

そしてボランティアでピアノを聴かせるようになりたい。

子供にもピアノを教えたい。

そんな想いを描いていた。