「7時半からの人ですね。聞いてます。どうぞこちらへ」

と言って案内した。

身長が高くメガネをかけた人だった。

真実を奥のソファーに座らせた。

「はじめまして。内勤の虻川(あぶかわ)です。よろしくお願いします」

「瀧上真実です。よろしくお願いします」

ここのホストクラブでは内勤も源氏名を使うこともある。

「それではこちらに記入してください」

虻川は用紙を渡し、席を離れた。

しばらくして、三人の男性と一人の女性が来た。

ソファーに腰掛け、一人づつ紹介した。

「はじめまして。プロデューサーのハナミチです。よろしくお願いします」

ハナミチはサングラスを外し、名刺を渡した。

ビジュアル系でナルシストな感じだ。

黒髪で雰囲気的に綺麗に見える。

オーナーとしてのオーラが漂う。

そして、ガメツいオーラもある。

「ゼネラルマネージャーの永瀬(ながせ)です。よろしくお願いします」

髭が濃く、剃った後がよくわかる。クールな表情が少し茶髪の天然パーマで物静かな感じがする。

永瀬は根っからのシャイなのでフレンドリーな雰囲気がうまく出せないのだろう。

そして三人目。

「代表の竪山ルイ(たてやまるい)です。よろしく」

肌の色は浅黒く、目がくりっとしてしているが、厳しくかたいイメージがあり、オーラが漂う。

竪山の挨拶が終えた後、女性が自己紹介をした。

「内勤の香紀(こうき)です。よろしく」

低い男性の声がした。

ギョッとした顔した真実を見て、

「ごめんなさい。こんな恰好で。一応男です」

「すまない。コイツ女装の趣味があるんだ。優秀な内勤なんだが、本番には弱く、こうゆう面接の時は緊張し過ぎて、しゃべれなくなってしまうんだ。だから、緊張ほぐすために特別に許可してやったんだ」

ハナミチは笑いながら説明した。

背が高く、ミュールを履いている。

派手なブルーネイルにセミロングの茶髪、化粧もきちんとされていて、ワンピースを着用している。

しぐさも女らしい。

どっからどう見ても綺麗な女性にしか見えない。