「ふぁーい、どちらさまですかー?」
地図の示す玄関のチャイムを鳴らすと,間抜けな千秋の返事が返ってきた.
「あ、夏樹ですけど」
「え、先輩!?ちょ、ちょっと待っててくださいー」
慌てて駆け出す音。
その後にどたばたというものを動かす音。
さらにはきゃーという悲鳴。
・・・何が起きているかは想像にたやすい。
たっぷり30分がすぎたころようやくドアがあいた。
「お前、風邪で寝込んでたんじゃないのか?」
「そりゃもう寝込んでましたよ?でも先輩が来るなんて知らなかったし。」
「俺だって来る予定なんてなかったけどな。あ、これ遥さんから頼まれたもの。」
鞄の中から包みを取り出し手渡す。
よし、任務完了。