「じゃあ私達がいずみんの代わりに桜を探せばいいんですよ!」

あ~やっぱり。

「しかもそのいずみんってのは何?」

「え~、だっていずみさんなんでしょ?ならいずみんじゃないですか~」

ぶんぶんと腕を振り回して力説してくる。

「それで、その場所を教えてあげれば万事解決じゃないですか。それにもし、その桜が見られれば私の夢も・・・」

なぜかそこで不思議な間があった。

「と、とにかくですね。週末はみんなでピクニックに行くということで決まりっ」

「じゃあ俺が車を出すよ」

健吾もノリノリで話を進めている。

あ~もう勝手にしてくれ。

「夏樹先輩はいずみんとの連絡係ということで」

「それは別にいいけどさ。遥さん、一つ質問なんですけど。

 その写真家の方は桜を見つけられたのですか?」

「いいえ、結局見つからなかったという話しだったわ」

「じゃあ、俺たちが探しても見つからないんじゃないかな。しかも見つけられたとして、咲いているとも限らないわけだし」