「・・・普通に考えて、遠くのどこかに引っ越してしまうとか、なにかの病気でとかかしら」

いつの間にか背後には遥さんが立っていた。

「そ、そうですよねっ。これは一大事ですよっせんぱい」

「俺も最初そう思ったんだけどね。別にこの人は俺たちに助けを求めているわけでもないし、ここで騒いだからってどうしようもないだろう?」

「だからといって放っておくんですか?先輩の薄情者~」

「そうよね。何かできるかもしれないのに何もしないなんてひどいかも」

えと、遥さんってどちらの味方ですか・・・?

「とりあえずどんな事情があるかだけでも聞いてみるべきですよ。もしかしたら力になれることがあるかもしれないし。」

「・・・わかったよ。今夜またメール送っておくから」

「よろしくなのですっ」

「じゃあ、俺は帰るわ、ここにいてもメールも書けないし。遥さん、ごちそうさまでした」

「あらあら、気をつけてね」

ひらひらと手を振る二人を背に店を後にした。

なんかどっと疲れたのは気のせいではないだろう。