居心地の悪い気持ちを押さえつけ、

5時間目、始業式を過ごした。

放課後は大半の人が颯爽と帰って行ったが、
残ってテスト勉強をしている人もいた。




葵は東京の有名私立にいただけあって、それなりに勉強はできたので、変化し続ける入道雲を窓から見続けた。


気づくと空は綺麗なオレンジ色に染められていた。


教室を振り返ったが、そこには誰もいなかった。


1番後ろの窓側の席に座ってため息をついた。


「もう、だめかもしれない…。」



気づくと涙がこぼれ落ちていた。
伊達メガネを外し涙をぬぐった。



なんで私を偽物の私で偽らなくてはいけないのだろう。

そう思ったら手は勝手に髪を結んであるゴムを握り、三つ編みをほどいていた。