1人の女の子がそう言いかけた瞬間
私は立ち上がり




「わ、私は大丈夫なんで。ご迷惑おかけしてすみません。あのっ、それじゃあ失礼します。」



私は走り出した。
きたばかりの学校は全くもってわからない。
しかし、あんな場所に居たくなかった。





封じ込めた過去が再び私の頭を占拠しようとするから。



あっ、ああ。やらかした。無表情でその場にいるだけで良かったのに。でも無理だった。
辛かった。



階段を見つけ登る。 この地域の過疎化により使われなくなった4階、5階に、駆けのぼる。


5階の1番奥の教室に閉じ籠った。
埃っぽいようなカビ臭いような教室だった。



はぁ、はぁと肩で息をして。




首からかけていた、プラスチックでできた
ピンクのハートのネックレスを取り出し、握りしめた。