そんなことを考えながら教室へ

私は4組だ。全部で8クラス。
1〜4は3階に、5〜8は4階にある。
4組は廊下の一番端

(遠いよ。)
いつも、これを思う。

ザワザワと各教室から聞こえてくる。
笑い声、話し声、じゃれ合いの声。


「また、保健室?」
聞き覚えのある声と鼻笑の音が横の方からした。

(あー。あの子か、めんどくさいな)

『お腹下しちゃって』
あははっと、いつものつくり笑い。

(お願い、めんどくさいから話しかけないで?)

「大丈夫?」
思ってもないことを、高い声でバカにしてるように言う。

そう、あの子とは、私に敵対心を抱いてる、3組の佐藤 紗莉奈

いつも、私をからかってくる。
私に負けないためだろう。

学1を狙って、全部自分のものにしたいと考える子。

(どうぞ、学1なんていりません。狙ってないから。)

腹立たしい気持ちを抑えて、笑顔で前を通る。

教室に戻り、席に着くと、

「お前また、サボりか? 俺でさえ授業出てるってゆうのに。」

『ごめんごめん』
と自然な笑顔がでる

この人は、同じクラスになって、意味もわからなく仲良くなった、男の子
西川 遼也。
体にバッチリと刺青を持っている。
いつも、私に話しかけてきてくれて、たまに家に行ったりする。
この人なら自然と笑顔で返事を返せる。

『また、顔に新しい傷できてんじゃん』
と、傷を絆創膏の上から、優しく突っつく。

「イタっ」
と、大袈裟に言う。

いつも、こんな何気ない、会話ばかり。

彼の刺青を知ってるのはこの学校で私だけ。