「……そっか。見えないのは、あたりまえなんだ。
こんな日常がずっと続くのかな……。
それは、寂しいなぁ」


目から熱いけど冷たいものが溢れ出す。


しばらくうずくまっていると誰かに声をかけられる。


「嶺井 優空さん」


いきなり名前を呼ばれるので反射的に振り返った。


「はい、って……私の事見えてるの?」

「ふふっ、あたりまえじゃない。
私もこの世の人間じゃないんだから」



この世の人間じゃない?って事は……この人も死んだってこと?