「やっほー!元気にしてる?」
次の日。俺がベッドの上でぼーっとしてると夕方に水無月楓先輩現れた。
「水無月先輩‥。」
俺は力なく楓先輩を見た。
「元気‥ではなさそうね。その調子だと。」
そう言ってベッドの隣にあった椅子に腰をかけた。
「‥美凪に比べたら大したことはないんですよ、こんなの‥。」
「望‥。」
俺は反抗的な態度をとった。
「水無月先輩‥どうして、あの時あんなこと行ったんですか?」
あの日、試合が終わった後、美凪と一緒に帰ろうとしていたところに笑顔の水無月先輩が現れたのだ。
「須崎君、お疲れさま。今日もすごかったね!」
「どもっ。俺、ちょっと急いでるので‥」
そう言って行こうとしたが‥
「ねぇ望。私達、よりを戻さない?」
「えっ!?何を‥言って‥」
俺は言葉を失う。
水無月先輩は俺に顔を近づけて言った。
「望の好きな人て美凪ちゃんでしょう?」
ドキッ 心臓が高鳴る。
「ど‥どうしてそれを?」
「見てれば分かるって。体育祭の時も、そして今日も美凪ちゃんのおかげでしょう?」
そこまで言って水無月先輩は笑顔をし、顔がぶつかりそうになるくらいに顔を近づけた。
「たとえ望が美凪ちゃんのことが好きでも、私の気持ちは変わらないから。私は別れてからもずっと好きだから。望だけのことを想い続けてる‥。」
「み‥水無月先輩先輩‥。」
「‥望から美凪ちゃんを奪ってやるから。どんな手を使ってでも望を私の方に振り向かせてあげる。」
そう言って水無月先輩は笑った。
その笑顔は‥目が笑ってなかった。
ドサッ!!!
その時にそんな音が響いて、美凪がいたことに気づいたのだった。
「あの話さえなければ、美凪は傷つくことなんてなかったんですよ。それに神秘の泉に行くことも‥。」
「あれは悪かったて思ってるよ。ちょっとふざけすぎたって。まさか、美凪ちゃんが聞いてるなんて思わないじゃない。」
ここで俺は気になってたことを聞いた。
「先輩。俺から美凪を奪うために美凪に何かするつもりだったんですか?」
「‥‥‥‥‥‥。」
水無月先輩は何も答えなかった。
「‥美凪に何かするんだったら、たとえ先輩でも許しませんよ?あいつは俺にとって大事な奴だから、泣かしていいのは俺だけです。」
そこまで言うと水無月先輩は笑いながら言った。
「だから、あれは冗談だって言ってたじゃない。私はそんなマネしてまで、あんたを欲しいとは思わないよ。‥望は美凪ちゃんしか見ていないてことがわかったしね。まぁ、私は手を引くよ。」
「先輩‥。」
先輩は俺の頭に手をのせてくしゃくしゃとした。
「あんたも、自分ばかり責めてないで前に進みなよ。誰も望のせいだなんて思ってないよ。」
そう言われて俺の目からは涙が溢れだした。