ドサッ‥!
それもまぬけな音が響く。
その音に気づいたのか須崎先輩も水無月も私の方を見ていた。
「美凪!いつから‥」
私は聞きたくなくって走ってその場から逃げた。
「美凪!!待って!」
そう言ってうしろから先輩が走ってくる気配がした。
私は先輩に追いつかれないように必死に走った。
今日の試合で、体力を使ってほとんど動けないということを考えての全力疾走だ。
走ってても、私の目からは涙が溢れて止まらなかった。
‥先輩には、水無月先輩という美人な彼女がいるのに‥なのに‥先輩から告白されるとか思い上がっちゃってバカみたい‥。
本当に‥バカみたい。
その時だった。
「あれ、美凪?どうしたの?」
顔をあげると、そこには部活帰りの智未ちゃんがいた。
だけど詮索されたくなくて、私は智未ちゃんの呼びかけを無視して走っていった。
「美凪!!」
後からは智未ちゃんの呼ぶ声が聞こえた。
そのまま、私は全力で走った。涙が止まるように‥。だけど、涙は止まらない‥。
息が切れ始め、私が顔をあげて止まるとそこは以前、クラスで噂になっていた神秘の泉だった。
神秘の泉は大きな洞窟みたいなとこだ。
私は迷うことなく神秘の泉に入っていった。