「ば‥バカ!!お‥俺は努力家なんかじゃねぇし!!俺は何でも出来るやつだからな!」


強がる大智くんはなぜか可愛く見えた。


「な‥なんだよ、文句あるのか?」


「ううん。文句なんてないよ。じゃあ、私そろそろ行くね。練習を邪魔してごめんね。」


そう言って私は室内プールを出ようとしたが‥



「あ‥綾瀬!!」



「ん?何?」



私は名前を呼ばれ振り向いた。



「あっ‥いや、なんでもない。気をつけて帰れよ。」



「うん。ありがとう。」



私は室内プールを後にした。




室内プールを出ると、陸上部は帰ってきていて解散したところだったみたいで部員たちは帰っていく様子が見られた。



須崎先輩はすぐに見つけることができた。



けど、近くには別の女子生徒がいた。



それは‥




「なんで‥水無月先輩が?」




女子水泳部部長の水無月楓先輩だった。






須崎先輩はまだ、私が近くにいるとは知らないみたいで話をしていた。



私は気づかれないように話が聞こえるところまで近づいた。


近づくと水無月先輩が須崎先輩にキスをした。


私は衝撃を受けてしまった。



えっ!?ど‥どういうこと‥?



須崎先輩は水無月先輩と‥付き合ってたの?


じゃあ、私はふられたの‥?



「水無月先輩!!いい加減にしてください!!」


須崎先輩の怒鳴り声で現実に引き戻された。


その拍子に体から力が抜け肩から下げていたスクールバックが地面に落ちた。