「ずっとそばにいるから。もう泣くな。」

小学6年生の冬。
母は私をおいて出ていってしまった。
毎晩のように起こる両親の喧嘩。小さいながらに、ただならぬ雰囲気と、もしかしたらと心構えはできていたつもりだった。

両親の離婚。
母親との別れ。

小学生の私にはとても辛かった。毎日泣いた。学校も休むようになった。父はそんな私をどうしていいのかわからず、困り果てていたのを覚えている。

そんな時、悲しくて悲しくて泣きじゃくる私を強く抱き締めてくれたのは、幼なじみの直哉だった。

この言葉にどれだけ救われただろうか。
私は直哉の胸で泣きじゃくった。