これって、多賀宮君のおかげだよね。

彼が見たいなんて言ってくれなかったら、せっかくお父さんが作ってくれたこの部屋のプラネタリウムは、今日も埃をかぶっていたに違いないんだから。


感謝の気持ちで、すぐ隣に肩を並べて座っている、多賀宮くんの横顔を何気なく盗み見て、驚いた。


てっきりもっと冷静な目をしていると思ったのに、彼はまるで子供みたいに、きらきらした目で空を見上げていたから。


多賀宮くん、こんな顔するんだ……。


意外なものを見た気がして、なんだか胸がまたドキドキしてきた。


と同時に、ふと脳裏によみがえるのは、桜の下で溺れていた多賀宮くんで。

彼がどうしてそんなことをしようとしたのか、気になってしまう。


多賀宮くんは、どうして死のうと思ったのか。

今はこんなふうに純粋な目で星空を見上げられるのに、どうして?

まだ死にたいって、思ったりしてるの?