うるさくしたのは私が悪かったけど、指……指っ!


はいってちゃんと返事したいけど、唇の上に乗っている彼の指の感触にドキドキして、声が出せない。


だから無言で、必死でうなずくしかなかった。


うなずく彼の顔が近づいて、彼の髪が頬にふわふわと触れる。


「それでいい」


唇から指が離れて、抱かれていた肩がそっと離される。


もうっ、もうっ、ドキドキしすぎて死んじゃうよ!
多賀宮くんのばかっ!


プラネタリウムを起動したのは、久しぶりだった。

眠れない夜は時々つけて寝るけど、ここ数ヶ月はそれすら面倒くさくなっちゃって、仕舞い込んでいたんだ。


きれいだなぁ……。

明るい星、そうでない星。

目には見えないけれど確かに存在する星。天の川が光の帯になってキラキラと輝いている。


太陽系より遠い夜空の星の大半は、うんと遠い。秒速三十万キロの速さで輝いていても、地球に届く頃にはなくなっているかもしれない。


それでも星がそこにいた、証がこのきらめきなんだ……。


改めて星の美しさに胸が熱くなる。


こんな気持ちになれたのは久しぶりだった。