実力テストの結果が帰ってきたのは、それから10日後だった。


クラスで4番、学年全体では20番。うちは県内で1番の進学校だから、悪くはないけど、医大を目指すには正直厳しい結果だ。


「はぁ……」


精一杯頑張ったつもりだけど、ため息しかでない。


やっぱり私、ダメだなあ……。どうやったら成績ってドーンと上がるんだろう。

いくら勉強しても、まったく結果に結びついていないような気がして、落ち込んでしまうよ……。

こんな日くらい、気分転換にタケルとカナと三人で、アイスでも食べに行きたかったけど、ふたりはそれぞれ部活に行ってしまっていた。

タケルはサッカー、カナは吹奏楽部で頑張っている。


仕方ない。予備校が始まる時間まで、図書室で勉強でもするか……。


教室を出たところで、花山先生と多賀宮くんが向かい合って話しているのが目に入った。


先生はニコニコしているけど多賀宮くんは仏頂面で、ポケットに手を突っ込んで目すら合わせない。

相手が先生じゃなかったら、きっとすぐに立ち去っているような、そんな感じ。