どこから来たの?
どうしてこの時期に転校してきたの?
好きな食べ物は?
どんな音楽聴くの?
きょうだいはいる?
好きな子は、彼女はいる?
気になることがいっぱいだ。
教室の誰もが、イケメンがなにを言うのか、ワクワクして待っている。
そのきれいで端正な顔を期待に満ちた目で見つめている。
だけど彼は完全に冷め切った表情で教室内をぐるっと見回した後、ものすごく偉そうに言い放ったんだ。
「くだらない質問は一切禁止。つか、できれば話しかけないでくれたら疲れなくて助かる。以上」
はっきりと通る、甘く華やかな声だった。
だけのその内容はあまりにも不穏で。
当然、教室が、笑っていいのか、マジな話なのか、わからなくて微妙な空気になる。
爆弾が落とされた。そう思った。
自分がこんな空気にしたわけじゃないのに、胸の真ん中辺りがギューッと掴まれたみたいに苦しくなる。
なんなの、この人!?