祖父はどうも孫の私に甘く「偉いなぁ、アミカは」と、感心ひとしきりだ。

なんだか恥ずかしい。


「そんなことないよ。運が良かったんだよ」


恐縮しつつも、私の視線はやっぱりつい彼の形のいい唇に向けられてしまって……。


ふと、氷のように冷たかった唇に、必死に息を吹き込んだことを思い出して、顔がカーッと熱くなった。


そっか……心肺蘇生法したってことは……。


キス……いや、えっ?


まさか、あれ、私、ファーストキス?


ファーストキス、しちゃったの?


変な汗がドバッと出る。


だから理性を総動員して、必死で自分に言い聞かせた。


いや、これは人助け、忘れよう、ノーカウントだ。