私がそう聞くと、恭介君は驚いた顔をした。

「こんなこと聞くなんて常識ないってわかってるけど…でももしそうなら!恭介君の口から」

「ごめん。今日はもう…帰って。」

恭介君は、俯いて私の背中を押した。

追い出されるようにして、恭介君の部屋から出てきた私。


どうしようもなく、悔しかった。


愛海さんが知ってることを、私はしらない。

そんなの当たり前だけど…すごい悔しい。


それに、聞いた時のあの顔。

聞かれたくないことを聞かれた時の顔。

わかってたのに。聞いて欲しくないってわかってたのに。

…男の人大丈夫だって、怖くないんだって。

そう思えたのは全部、恭介君のおかげなのに。

恭介君がいたからなのに。

涙が止まらない。

人が見てもわかんないように…下を向いておこう。