「ちょっと、そこのベンチでちょっと休憩しよ」

私たちはベンチに座る。


「あー、今日楽しいなあ」

「よかったね」

「優衣ちゃんは?楽しくない?」

「んー。楽しいかな?」


楽しいって返事したのに、大翔君は黙ったまま。

あれ?私変な事言ったかな。

「な、なに?変な事言った?」

「あっ、そっか。楽しいならよかった!」

「う、うん」

大翔君はたまに、私を見たままフリーズする。

変だけど、ちょっと面白い。


「あ。じゃあ…家の近くまで送るよ。もう暗いし」

「いいよ!一人で帰れるし…」

「いいから。本当は怖いんじゃない?」

図星…だから、何も言えなかった。


「じゃー。今日は楽しい1日をありがとう。」

そう言って、私のことを抱きしめた。

「え、あの…?」

「じゃ、また遊んでね〜」


そう言って、大翔君は帰ってしまった。


自由な人だけど、優しいしいい人。

…でも、やっぱり変な人かも。