「え、大翔君の行きたいところって、ここ?」
近くのデパートに来た。
「俺、暇さえあればここに来てんだよねー」
「へぇ、なんとなく想像つく」
「ほんとー?」
中に入ると、たくさんのお店があった。
食べ物も、洋服も。
「見て見て優衣ちゃん!これ、優衣ちゃんっぽい。」
向日葵があしらわれた可愛いハンカチだった。
この時期に、向日葵かぁ…
でも向日葵って可愛いし。なんか好き。
「あ。これ…」
私が目にしたのは、恭介君の家で一度見た白い花。
その花がハンカチに…
「優衣ちゃんカモミールの花に興味あるの?」
「え、そういう訳じゃ…」
大翔君は、そのハンカチを手に取る。
「あ、これ花言葉書いてある。『逆境に耐える』だって。」
逆境に耐える…
「優衣ちゃん?大丈夫?」
ボーッとしてた。
「う、うん!」