そうだよね。恭介君だって何もないって言ってたもん。

私は私で頑張ればいい。よしっ!


「ありがとう、遥!」

「どういたしまして」

椅子から立ち上がると、さっき追い払われてた青年がいた。

「あ、そうそう。こいつ新人の城崎大翔(シロサキ ヒロト)。優衣より一つ上の高校生だ。

高校生だけど、腕は確かだ。俺が採用したからな。」

自慢げに言う、遥をおいといて、城崎さんに目を向ける。

私が遥とバイバイしたあと、城崎さんは出口までついてきてくれた。

「城崎大翔。18歳。大翔って呼んでね!」

「えっと…大翔君でもいいでしょうか」

「敬語なんて使わないで!遥さんに叱られるし。」

「で、でも…」

「あ、てか、俺が敬語か。お客さんと店員だもんね。はははっ」

大翔君って、自由人…?

「あ、とにかく。今度来るときは、俺のこと指名してね!」

「う、うん。じゃあ」


やっと自由すぎる大翔君から開放された。

でも、悪い人ではなさそうだし…