翌日学校に来てみれば、なんだか教室が騒がしかった。
「転校生がきたらしい」
私はその転校生の居るところに視線を向ける。
「なに、知ってる子?」
知ってるというか…見たことがある。
花火が上がったときの、光に照らされていたあの顔を。
「あ、この前の…」
愛海さんは、そうつぶやいて私を見つめた。
「あぁ。あの子がこの前言ってた…」
花恋は腕を組んで、静かに言う。
チャイムと同時に、恭介君が教室に入ってきた。
驚きもしないで、私におはようとだけ言って席に座った。
担任の先生が、転校生だと紹介すると、愛海さん自身で自己紹介を始めた。
「黒川愛海(クロカワ アミ)です。アメリカに住んでいました。よろしくお願いします。」
少し控えめの自己紹介に、クラスの男子たちはくぎ付けになっていた。