10月に入ると急に雨が続いた。

晴れた日と、雨の日だったら、もちろん晴れの日が好き。

雨の日は…すごく悲しくなる。

そうでなくてもいまは悲しいのに。

教室に入ると、真っ先に翔君が挨拶に来る。

「優衣ちゃんっ!おっはようー!」

「あ、翔君。おはよう。今日も元気だね」

「そういう優衣ちゃんは、全然元気ないね」

自分の席に座りながら、笑顔を見せる。

「そんなことないよー…あ。」

恭介君が教室に入ってきた。


「よっ、恭介。珍しく早いな」

「まぁな。」

椅子にドンと座る恭介君。

ふと目が合ってしまう。

私はぎこちなくそらす。

「なぁ…「あーー!花恋っ。おはよう!」

「お、おはよ」

花恋は不思議そうに返事する。