恭介君の腕からやっと下ろしてもらった。

「すごい綺麗だね!」

「俺が中学の時見つけた場所」

「そうなんだ。」

恭介君が中学生の時に見つけた場所…かぁ。

ここに、友達とか連れてきたのかな。

彼女…とかも連れてきてたりするのかな。


「もうすぐあがるな。」

「うん」

ドキドキしながら、花火が上がるのを待った。

「俺、優衣に言いたかった」

「え?」

平静を装うけど、ほんとはすごい緊張してた。

これってもしかして…って勘違いなのかもしれないのに。

「優衣のことが「恭介!?」

ヒュ---ドンッ

花火が上がると同時に、見知らぬ女性が恭介君の名前を呼んだ。

恭介君はその女性を、驚いた顔でしばらく見る。

「愛海(アミ)…なんで日本に。」

恭介君の口から、そんな言葉が出た。

愛海という人は、恭介君に駆け寄って抱きついた。

「恭介…助けて」

そう呟いた…。