「えぇ。なにそれー。」

少し呆れた様子で、俺に背を向ける優衣。

なんだよ、可愛すぎだろ。

「じゃー。甘いのでも食うか?」

優衣を後ろから抱きしめて俺が聞くと、すぐに目を輝かせてきた。

お前は犬か。

ツッコミたくなる。

「いいの?今から?一緒に?」

「んー。俺にキスしたら連れてってあげるけど?」

最後の意地悪をしてみる。

「えぇ…恥ずかしいよ!」

「は?じゃ、行かないんだ」

「そ、それは行きたいけど〜」

「わがままはだめ。二択。俺にキスするか帰るか。」

優衣は耳まで赤くして、考えてる。

さっきから自然と上目遣いだし。
いい匂いだし。

「じゃ、ちょっとしゃがんでよ…」

恥ずかしそうにジェスチャーをする。

俺はその通りに少しだけ屈むと、触れるだけの可愛いキスがきた。

「これでいいでしょ?ね?」

「ばーか。」

今よりも強く抱き締めて、先に歩き出した。

その後を優衣が追いついてきて、俺の手を握る。