「恭介君…手、貸して。目をつぶって?」
恭介君は言われた通りにしてくれた。
その手のひらに、プレゼントの箱を置いた。
「目開けていいよ」
相変わらず綺麗な顔で目を開ける。
手のひらを見るなり、驚いた顔をする。
「このタイミングで…あれなんだけど。でもどうしても渡したくて。
喜んでもらえるか、わからないけど」
「…ほんとだよ。こんなタイミングで渡すんじゃねえよ」
えぇ。冷たい。
しょぼくれちゃうよ。
いいの?
「ばかが。間に受けてんじゃねーよ。
あー、早くめちゃくちゃにしてやりたい」
「め、めちゃくちゃ?そんな…」
ネックレスめちゃくちゃにされるの?
「ばか、これじゃなくて。お前」
私のあげた、ネックレスの箱を指さして、その次に私を指さした。