「ありがとな」
「え?なにが?」
「まー。色々と」
恭介君はなにか誤魔化してたみたいだけど、いっか。
女の子たちとすれ違う度に、恭介君を振り返る。
「あ、あのぉ…」
ついに、話しかける女の子まで出てきた
「なに?」
「写真撮ってくださいっ」
「まー、いいけど?」
恭介君が、おっけーした。
すごい珍しい…いつもなら、無視するだけなのに。
なんか…ちょっと嫌かも。
でも女の子の携帯を使って、撮影したのは女の子たちだけ。
「じゃーな」
それだけ言って、携帯を返す恭介君。
「きょ、恭介君っ。あれはそういう意味じゃ…」
「わかってるよ?」
「え?」
「めんどくせーし。撮りたくないのに撮るわけねーじゃん」
やっぱり、恭介君は恭介君だ。
「これであいつらにも文句言われねーし、
体育祭も心置きなくやれるわ。」
「よかったね!」
「んじゃ。また、月曜日な」
恭介君は、わざわざ家まで送ってくれた。
…緊張したけど…話すことはできた。
段々、大丈夫になってきた。
よーし。このまま、体育祭もがんばるぞー!