駅の近くに来てみれば、まだ騒ぎは収まってなかった。

救急車に、警察。


赤い光が行ったり来たりしてた。


…優衣。どこだ。



「すみません。なにがあったか、知ってますか?」

適当に野次馬の誰かになにが起きたか聞く。

「無差別傷害事件。今のところはね。でも、女の子も男の子も、適当に刺されて。

重症で何人も運ばれてたよ。物騒な世の中だ…」


傷害。重症。


その中に、優衣も含まれてるのか?

「どこの病院に搬送されたかってわかりませんよね?」

「あぁ、そこまでは。悪いね」


優衣…


俺は、見回りの警察を見つけて搬送先を聞いた。

「個人情報だ。教えられない」

「大事なやつが殺られたら、あんた黙ってられんのかよ!教えてくれよ…」

思わず警察の胸ぐらを掴んでいた。