「優衣ちゃんは、これからもこいつと居てくれる?」

こいつ=恭介君でいいんだよね?

それなら答えはもう…

「もちろんです」

「そっか。それなら良かった。
はぁー。じゃ、二人とももう帰りな」

堀先生は、笑って、息をついてからそう言った。

安心してるのが伝わってくる。

「じゃ、また学校でな」

「…あぁ。」

「優衣ちゃんもまたね」

「はい」


私たちは、堀先生の家から出てきた。

恭介君を横目で見ると、少し疲れてるみたいだった。

そりゃそうだよね。今日1日で色々なことがあったもんね。

「…恭介君、ちょっとだけ耳貸して?」

私がそう言うと、何も考えずに耳を私に近づけてくる。

本当は耳ではなくて…

「なに、してんの」

「お疲れ様って思ったから」

恭介君の頭を撫でている。

少し屈んでくれないと、手が頭に届かない。