「えっ。や。な、泣かないで。ごめんね?私変な事言ったよね。」

「ばーか。お前ほんとバカ。つーか、泣くわけねーから。

優衣の前で泣くとか、恥だわ!」


今度は私のおでこをコツンと叩く。

でもその時の恭介君の顔は、すごい爽やかで。

こんな時までかっこいいの…ずるいよね。


「でも…1回だけ恭介君の泣き顔、」

「あー、あれは、あくびしすぎただけ。泣いてた訳じゃないから」

「え、嘘だ!」

「本当だから」

言い訳にも程があるよ!

あの時は絶対泣いてたし…

いや、あくびだったのかな?混乱してきた!


ブ-ブ-。

携帯が鳴ってる。

携帯の画面には、着信で花恋からだった。

「もしもし、花恋?」

《勝手に出て行って心配したよー》

「あ、ごめんー!今、花恋達はどこに?」

《駅周辺。てか、話はだいたいわかったし。

行く気があるなら、まだ家にいるらしいから、行ってみたら?》